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【連載】MMX用ダストセンサー開発中! 第4回「さらにお試し実験」

前回ご紹介したように、ターゲットチャンバーと呼んでいる真空チャンバーをダスト静電加速器に取り付けることができました。

第1回「お試し実験」では5cm程度のセンサーを使った実験の紹介をしましたが、真空フランジに固定していた都合もあり、決まった位置にしかダスト模擬粒子を衝突させることができませんでした。開発しようとしているセンサーはセンサー上のどこにダスト粒子が衝突したのかを検知することができるはずなので、それを確かめるための実験をしなければなりません。そこで15cm角のセンサーをつくって、チャンバーの中でダスト模擬粒子が飛んでくる方向に対して位置を変えることで、センサー上の異なる位置にダスト模擬微粒子を衝突させる実験を行います。 下の写真は実際に製作した試作センサーと、それをチャンバーに入れている様子です。

図1.火星周回ダスト観測用大面積ダストセンサーの最初の試作品

図2.試作ダストセンサーをダスト加速器のターゲットチャンバーに入れている様子

そして、搭載装置に組み込むことを想定した信号読み出し用プレアンプ(センサーが出力する微小な信号を増幅してメインのエレクトロニクスに導入するための初段アンプ)の試作品も届き(図3)、こんな感じの実験セットアップになりました(図4)。

図3.火星周回ダストセンサーの装置に組み込むことを想定したプレアンプの試作品

図4.ダスト静電加速器と電源、データ記録用のオシロスコープなど。

このように、ダストセンサーの試作品に微粒子を加速して衝突させる実験ができるようになりました。

図5.試作ダストセンサーで検出したダスト模擬粒子の信号の

この図は、約1μm(6pg)の微粒子が400m/sで衝突して4.5cm離れた位置にあるPZTセンサーが出力した信号です。ノイズにくらべて、少し信号レベルが大きくなっている部分がダスト模擬粒子の衝突によるものなのですが、実際の火星周回ダスト(サイズが30µm以上)はこれより数千倍以上大きな信号がでるはずです。この実験ではこの信号が確認できただけでも十分な成果となりました。

この大阪大学の静電加速器では、加速電圧が100kVまでなので、ダスト模擬粒子をあまり早い速度まで加速できません。でも、さらに高い加速電圧の加速器を使えばもっと早い速度のダスト模擬粒子で実験することができます。次回は、その実験についての紹介をしたいと思います。