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黒澤研究員の火星の古大気圧の下限値を制約した論文がIcarusに受理されました.

PERC黒澤研究員の火星の古大気圧の下限値を制約した論文(Kurokawa, Kurosawa & Usui, 2017)がIcarusに受理されました.要点は以下の通りです.

東京工業大学地球生命研究所(ELSI)の黒川宏之研究員と千葉工業大学惑星探査研究センターの黒澤耕介研究員らの研究グループは、40 億年前の火星が地球と同程度の約 0.5 気圧以上の厚い大気に覆われていたことを突き止めた。この成果は、火星の磁場消失に伴う大規模な大気流出など、40 億年前以降に地球と火星の運命を隔てる環境変動が起きた可能性を示唆している。火星大気が宇宙空間に流出する過程においては軽い同位体が優先的に失われるため、大気への重い同位体の濃集として記録される。本研究はこの濃集度が大気圧(量)に依存することに着目した。40 億年前の火星隕石に記録されていた当時の窒素や希ガスといった大気に選択的に含まれる元素の同位体(用語 1)組成と、本研究で新たに行った理論計算を比較することで、当時の大気圧を推定した。火星が過去に厚い大気に覆われていたか、および厚い大気に覆われていた期間がどのくらいだったかは惑星科学における重要な謎のひとつであった。この研究成果は 8 月 24 日に欧州科学雑誌「イカロス(Icarus)」オンライン版で公開され、2018 年 1 月 1 日発行号に掲載される。

詳細につきましてはプレスリリースをご参照下さい.

担当:千葉工業大学
惑星探査研究センター