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GALA開発モデル、初出荷!

ヨーロッパの木星氷衛星探査ミッションJUICE(ジュース)のガニメデレーザー高度計GALA(Ganymede Laser Altimeter)の開発チームに参加しています。GALAは、送信したレーザーパルスが氷衛星であるガニメデ表面で反射して戻ってくる信号を、アバランシェフォトダイオード(以降、APD)という光センサをつかって検出し、天体表面の高低差や傾斜角を調べます。
PERCが関係しているのは、アバランシェフォトダイオード(以降、APD)とアナログエレクトロニクスモジュール(以降、AEM)です。AEMはAPDからのアナログ信号をデジタル信号に変換して、スイスチームが担当するモジュールに高速データ伝送するモジュールです。
先月(2018年9月)、このAEMのエンジニアリングモジュール(以降、EM1-1)を、GALA全体の担当をしているドイツチームに向けて出荷し、現地にて受入検査を受けてきました(同じく日本が担当する後置光学系および焦点面アセンブリ、以降BEO/FPAのEM1-1も納入されました)。下の写真が、ドイツチーム担当メーカHensoldtのクリーンルーム内で、日本チーム担当メーカ明星電気の方々と撮った写真です。

手に持っているのがケースに入れたAEM EM1-1ですが、モザイクがかかっています。AEMは回路基板で、金色に見えるケースに入っています。このケースは、レーザー高度計の受光用反射光学系を載せる光学ベンチの役割を果たす機能的なもので、ドイツチームが担当する部分なので、残念ながらお見せすることができません。
下の写真に、今回ドイツに納入したモデルと同等品が写っています。

この写真は、今回AEM EM1-1を納入する前に、スイスチーム担当モジュールとの通信試験を行った時の様子です。
このエンジニアリングモデルはGALA全体の電気機能を確認する開発モデルで、最終的にJUICE探査機のエンジニアリングモデルに組み込まれて試験をします。今後、熱構造を模擬した熱構造モデル(STM)や機能・性能を評価するためのモデル、最終的にはフライトモデルを作って納入していくことになります。

ところで、ドイツ側のメーカHensoldtは、某国際的有名レンズメーカから分社化した会社で、いまもその本社の敷地の中にあります。下の写真は、検査が終わって一安心、皆で食事に行く直前に某レンズメーカの入り口のところで撮った写真です。我々のために日の丸が掲げられました(というのは嘘です)。
今後も色々な活動がある予定ですので、状況報告などをこのブログでお知らせしようと思います。応援よろしくお願いいたします。
(小林正規)