PERCブログBlog

祝100万発

「はやぶさ2」に搭載されたレーザ高度計(LIDAR)は,レーザパルスを射出し,散乱光が返ってくるまでの時間からターゲットまでの距離を計測する装置です.レーザ射出頻度は最大で毎秒1発で,少なくとも1000万発の射出に耐える設計になっています.毎秒1発の割合で撃ち続けると約4ヶ月で1000万発に達しますが,実際には,定常的に探査機と小惑星リュウグウとの相対距離を測るだけの時にはもっと頻度を落とし,ショット数を節約しています.
9月16日,LIDARのショット数は打ち上げから100万発を超えました.LIDAR地球離脱からリュウグウ到着までのクルージング期間のほとんどは電源オフになっていたため(研究員ブログ2018/06/08記事),6月末からおよそ2.5ヶ月で100万発を達成したことになります.
「はやぶさ2」搭載LIDARは装置としては今も健全で,微調整しながら探査機からリュウグウまでの距離を計測し続けています(「はやぶさ2」レーザ高度計一か月の成果).高度計は,小惑星への降下時に探査機を安全に運用するために欠くことのできない装置です.装置の健全性を保ちつつ,探査機の位置決めやリュウグウの表面地形解明のための観測を続けてゆく予定です.

LIDARフットプリント位置をもとに作ったリュウグウの点群モデル (各軸の数字の単位はメートル)

「はやぶさ2」搭載LIDAR は, 国立天文台/JAXA /千葉工大/会津大/日本大/大阪大 の協力で開発・運用されています.