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「はやぶさ2」 LIDAR およそ2年ぶりの立上げ

「はやぶさ2」に搭載されているレーザ高度計(LIDAR)は,照射したレーザがターゲット面で散乱されて返ってくるまでの時間から,ターゲットまでの距離を測る装置です.この距離から探査機の位置を確認したり,天体表面の凸凹を計測したり,ターゲットの反射率を求めたりします.でも宇宙空間では光を返してくれるターゲットがいないため,クルージング中はLIDARの電源は切られていました.
「はやぶさ2」がリュウグウに近づいてきたので,2018年6月6日に LIDARに電源を入れて正常に動作するかの確認(健全性確認)を行いました.およそ2年ぶりの電源投入なので,少しずつコマンドを送って,正常な反応が返ってくるか確かめながら作業を進めます.しかし,「はやぶさ2」は地球から見ると太陽よりも遠くにあり,光の速度でも片道16分かかります.コマンドの反応を見るには,往復32分待たないといけません.
慎重に,およそ5時間かけて確認したところ,LIDARは正常に動作することが確認できました.ただし,リュウグウまでの距離はまだ2000km もあるため,まだ距離は測れません.
「はやぶさ2」は日々リュウグウに近づいて行っています.まもなく,LIDAR が距離を測れるようになるはずです.データが下りてくる日が楽しみです.
 
「はやぶさ2」搭載LIDAR は, 国立天文台/JAXA /千葉工大/会津大/日本大/大阪大 の協力で開発・運用されています.