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散弾加速試験

こんにちは!高速衝突施設運用担当の黒澤です.
PERCの高速衝突施設が開設されて3年目になります.ようやく軌道に乗り始め「二段式水素飛翔体加速装置」を使っていくつかの実験を平行して進めています. 今年度は成果をお伝えしていけたらと思います.
下の写真は先日行った散弾加速試験の結果です. 粘土鉱物微粒子を散弾状にして加速してアルミ板に衝突させました. 小さい穴は粘土鉱物がぶつかってできたクレータです. 粘土鉱物は彗星や小惑星から出た塵(ちり)を模擬するために使っています. この塵は宇宙塵(うちゅうじん)と呼ばれ, 地球にも毎日降り注いでいます. こういった宇宙塵を無傷で回収できれば, 起源である彗星や小惑星について調べることができます. この実験は宇宙塵の回収方法を考案する上で必要なデータをとるために進めています.
微粒子を銃身にそのまま詰めることはできないので, 「サボ」と呼ばれるプラスチックケースに微粒子をすりきり一杯に詰めて発射します. PERCの加速装置は銃身に溝が掘ってある仕様になっており, サボと微粒子が射線軸に対して回転しながら飛行します. 遠心力を利用してプラスチックケースを分離して, 微粒子のみを標的板に命中させます.
文章で書くと簡単そうなのですが, サボの設計やサボを止めるストッパの調整などに手間がかかります. ようやくこういう実験ができるところまでやってきました. これからの成果にもご期待下さい!
ところで「二段式水素飛翔体加速装置」ってなんだか覚えにくいですよね…。もっとカッコイイ略称がほしいです. 超電磁砲(Railgun)が羨ましい…
(黒澤 耕介)