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「はやぶさ2」光学航法カメラによる撮像 ~絵にも描けない美しさ?~

「はやぶさ2」は2018年06月05日に目標小惑星「リュウグウ」からの距離2500kmに到達し、光学航法による誘導を開始しました。光学航法というのは、「リュウグウ」の写真を撮り、背景に写る恒星と「リュウグウ」の位置関係から、「はやぶさ2」から見た「リュウグウ」の方向を推定することで、「リュウグウ」の位置の精度を上げ、その方向へと探査機を導いていくものです。
(詳細は 「スタートラッカのリュウグウ撮影による光学航法 」@はやぶさ2プロジェクトサイト参照)
私が担当しているONC (Optical Navigation Camera)は名前の示すとおり、光学航法の為の観測およびサイエンス観測をするためのカメラであり、「はやぶさ2」を「リュウグウ」に到達させる重要な役割があります。既に、プロジェクトサイトで公開されているように、最初は数ピクセルに見えていた「リュウグウ」が、徐々に大きくなり、日々より細かな地形が見えてきていますが、これら画像の多くは、実はこの光学航法をするために日々取得しているものです。

昨日公開された 「約40kmの距離から見たリュウグウ」@はやぶさ2プロジェクトサイトより。画像クレジット※:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研。
もともと丸っぽいと言われていた「リュウグウ」ですが、近づいてみると、単純な球体ではなく、大雑把には「(日本の)そろばんの球」のような、上下に円錐を重ねたような形であるようです。私は最初「鈴かすてら」をイメージしたのですが、「カレーパンマン」とか「ダイヤモンド」、「パーマン」等を想像するひともいるようです。また大きなクレーターが赤道付近にあることも特徴的で、「デススター」とか「モンスターボール」を思い浮かべる人もいました(世代があらわれますね)。始めてみるものゆえに、どう表現してよいのか難しいもののようです。
明日にはホームポジションと呼ばれる、「リュウグウ」から距離20kmの位置に到達し、いよいよ本格的な観測が始まります。どんな「絵にも描けない」ものが出てくるのか楽しみです。

(山田 学)