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S-CUBEの運用期間が1年を超え、もうすぐ軌道離脱します

S-CUBEは2015年9月17日に国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟から放出され、約1年2ヶ月に渡って地球低軌道を周回し、いよいよ今月中に軌道離脱(大気圏突入)する予定です。最新の予測(Space-Track.Org)では2016年11月19日(UTC:協定世界時)に軌道離脱の予定です。最後の大気圏突入時はS-CUBE自身が流星となって消滅します。
打上げの際にお世話になったJAXAの担当者の方からは、「宇宙ステーションから放出されたキューブサットで1年以上飛行したものは記憶にない。S-CUBEは最長飛行記録を達成したものと思われる」との言葉を(非公式ながら)いただきました。私たちも今回の衛星でここまで軌道寿命が長くなることは想定していませんでした。バッテリをはじめとして寿命の観点で良い実績ができました。
衛星放出から2日後に千葉工大地上局においてS-CUBEからの電波の受信に初めて成功し、その後の地上局の調整により、今では安定してコマンド・テレメトリ運用を実施できるようになりました。現在の衛星高度は近地点250km、遠地点260kmと大分低くなっていますが、今後どこまで低い高度まで通信できるかも実績となるため、残り2週間弱ですが最後まで運用しつつ見届けたいと思います。
(石丸 亮)