PERCブログBlog

47th Lunar and Planetary Science Conferenceへの参加

こんにちは,研究員の岡本尚也です.
2016年3月21日(月)から5日間,The Woodlands(テキサス州, USA)にて開かれた第47回月惑星科学会議(47th Lunar and Planetary Science Conference, LPSC)に参加しました.PERCではこの会議に参加・発表するのが恒例行事であり,本年も数名の研究員が現地に赴きました.
(LPSC WEB)http://www.hou.usra.edu/meetings/lpsc2016/
LPSCでは太陽系に関した研究を行う世界中の研究者が一同に集まり,発表を行います.我々の研究分野の中でも最大規模の学会の1つであり,口頭発表・ポスター発表をあわせるとおよそ2000件ほどに登ります.私(岡本)も22日に口頭発表を致しました.

LPSC会場

The Woodlandsはヒューストンに近い場所です.
例年はかなり暖かく半袖で過ごせるという話なのですが,今回は気温が非常に低く,初日の朝などは出発してきた東京よりも寒かったです.幸い会場の中は冷房が効いていて寒いということ知っていたため,羽織物をいくらか持っていて凍えることは免れました.
セッションはThe Woodlands Waterway Marriott Hotel and Convention Centerというホテル内の大きな会議室で行われました.ホテル裏には小さな川が流れており,夕方になると夕日が水面に照り映えて綺麗です.

会議の開かれた The Woodlands Waterway Marriott Hotel

夕日の綺麗な会場ホテル裏

今回のLPSCの目玉の発表はNew Horizonミッションの冥王星探査とDawnミッションの小惑星Ceres探査といって良いでしょう.特別セッションが組まれ,それぞれの天体の表面組成や詳細な表面地形などの話が展開されました.
私の発表は火曜日の午前「Impacts: Observations」というセッションで行われました.発表タイトルは”Ultra-High-Speed Imaging of the Impact Ejecta: Comparison with a SPH Simulation”です.
この研究は衝突によって飛び出す放出物をこれまでにない時間分解能で撮像することにより,衝突直後の放出物の振る舞いを調べるものです.
実験にはPERCに設置されている二段式軽ガス銃(弾丸を秒速数キロメートルまで加速可能!)を使用しています.-> http://www.perc.it-chiba.ac.jp/facility/index.html
また,その実験結果を数値計算の結果とも比較しています.
この研究を進めていくと,例えば火星への衝突により火星物質が火星衛星Phobosに輸送されうるといった天体間の物質輸送の話にもつながります.
発表は私のプレゼン・英語力こそまだまだ未熟なものでしたが,質問も3件ほど出て,発表後にも面白い研究だというコメントをいくつかいただけました.
今後も頑張っていきたいと思います.

執筆者の発表の様子

LPSCに参加すると,著名な研究者の発表を聞けるだけでなく,世界中にこれだけ多くの惑星科学を研究する人がおり,そこに情熱を注いでいることに刺激を受けます.また大きな会議であるゆえ,多くの研究者が参加し普段会えない同僚とも顔を合わせられ,近況を話しあえる場であることも大きな魅力の一つです.
(岡本 尚也)