くいだおれの街、大阪。大阪グルメと言えば、串カツ、たこ焼き、いか焼き、お好み焼き、うどん、焼きそば、餃子、ラーメン、豚まんに肉まん、つまり、メリケン粉メインのコナモン。そのコナモン文化のメッカである大阪の繁華街「キタ(梅田)」に宇宙の粉もん(注1)研究者が集いました。年に一度、対面形式で開催される国際研究集会Cosmic Dust、今年で15回目を迎えるこの会は、今や宇宙粉もん研究者のメッカとなっています。そこで今回は、Cosmic Dustの世話人として、かつDESTINY+プロジェクトの宣伝マンとしての参加報告を行います。
毎年、真夏真っ只中で最も暑くジメジメした8月初旬に開催されることが多いCosmic Dustは、開催時期では悪名をはせています。何と今年に限っては、開催時期が9月下旬と秋たけなわの好季節ではありませんか!ところがそう期待したのも束の間、伊丹空港のボーディング・ブリッジに片足を下ろした瞬間、「めっちゃ暑いやんけ」と思わず口ばしるほど。とほほ、開催中5日間は真夏日の連続でした。と言っても、めっちゃ冷房の効いた部屋で粉もんの議論は行われたのでした。会場となった大阪駅前第3ビル19階にある大阪産業大学梅田サテライトキャンパスからの眺めは、高層ビル群に囲まれて大阪城天守閣さえほとんど隠れて見えませんでしたが、33階の展望台からは明石海峡大橋が見えるほど眺めがよく、通りを歩く人の群れはメリケン粉のようでした。
粉もんは、実は、宇宙の至る所に存在しているのですが、宇宙産の粉もんと言っても多種多様で、十把一からげには出来ないのです。たこ焼きと言っても大阪と明石では小麦と卵の違い、お好み焼きと言っても大阪と広島では麺の有無の違い、肉まんと言っても大阪と東京では肉の違い(注2)があるのと同じです。そこでCosmic Dustでは、審査を経て全日程参加する50名を選出し、プログラムには1時間おきに1時間のコーヒーブレイク兼ポスターセッションを入れ、参加者全員が顔見知りとなることで、わだかまりなく議論ができる場を設けています。粉もんに関して十分に議論を尽くし知見の共有ができるこのような機会は、世界中を見渡してもCosmic Dustが唯一無二の国際研究集会です。各食事時にはコナモン文化を満喫し、朝から晩まで粉まみれの5日間でしたが、ほんまもんのコナモンは、ほんま旨かった〜。
注2:関西で肉と言えば、牛肉のことを指す。よって、関西には豚肉使用の肉じゃがは存在しません。関東で肉じゃがと呼ばれる豚肉使用の料理はバッタもんと見なされま。
因みに、DESTINY+プロジェクトからは5名が参加し、DESTINY+ダストアナライザ(宇宙粉もん分析装置)に関連した発表を行いました。50名中5名なので、十人に一人がDESTINY+関係者ということもあり、宇宙粉もん業界ではDESTINY+プロジェクトが広く認知されるはこびとなりました。DESTINY+ダストアナライザは、ふたご座流星群の母天体である小惑星フェートン(注3)を飛び出したばかりの、まさに流星になる前の出来立てホヤホヤの粉もんの組成分析を2030年に行います。まさかあり得ないとは思うのですが、万が一、小麦もしくは卵成分が検出されたとしたら。。。近い将来、流れ星を集めて作った宇宙たこ焼きを味わえる日が来るかもしれません (んなアホな!)。