プロジェクト紹介

ISS流星観測プロジェクト「METEOR」


2017年10月10日1時10分頃(GMT) 、南大西洋で捉えた流星です(画面中央).

meteor_logo千葉工業大学惑星探査研究センターでは、国際宇宙ステーション(ISS)から超高感度CMOSカラ―ハイビジョンカメラにより流星の長期連続観測を行う「メテオ」プロジェクトを2012年から進めてきました。
流星観測カメラシステム「メテオ」はISSに打ち上げ後、米国実験棟「デステニィー(Destiny)」内の観測用ラック(Window Observational Research Facility:WORF)に設置され、窓越しに約2年間流星観測を行います。観測に使用するハイビジョンカメラは、NHK番組「宇宙の渚」で使用されたカメラの改良版です。本プロジェクトは宇宙から流星を長期連続観測するという世界初の試みです。また、米国実験棟で主体的に科学観測を行う日本初のプロジェクトです。

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メテオとは日本語で流星のことです。流星とは彗星や小惑星から放出された塵が大気に突入する際,高温高圧のプラズマ状態となり発光する現象です。「メテオ」の観測では、流星の飛跡や明るさから流星塵の大きさを求めたり、回折格子をレンズの前に取付けて分光観測を行い、流星塵の化学組成を調べる計画です。また、毎年決まった時期に現れる流星群は、流星塵の元となる彗星や小惑星(母天体と呼びます)がわかっているので、流星群の観測結果から直接探査が難しい流星群母天体の特性を知ることができます。

ISSからの流星観測は、地上での観測と違い、天候や大気の影響を受けず、定常的な観測が可能です。「メテオ」プロジェクトでは、ISSの軌道予測に基づき、夜間の観測スケジュールを予め登録し、夜になるとカメラが自動的に観測を始めます。ISSが地球を約90分で一周するうち夜側は約35分間なので、「メテオ」が流星観測を行うのは一日あたり約560分間です。「メテオ」の観測により観測データ数が飛躍的に増え、より統計的な流星科学研究が可能になることが期待されます。観測された全映像データは、ISS上のコンピュータに接続されたハードディスクに保存されます。通信データ容量の制限から、全てのデータを地上に降ろすことはできませんが、ソフトウェアにより流星を含むデータのみ切り出し、惑星探査研究センター内の運用管制室で、その日のうちに観測映像を見ることができます。

メテオプロジェクトの概要と特徴

  • 国際宇宙ステーション(ISS)米国与圧実験棟デスティニー(Destiny)内に超高感度CMOSカラーハイビジョンカメラを設置し、窓越しに2年間流星観測を実施。→世界初の宇宙からの流星の長期連続観測
  • 惑星探査研究センター内の運用管制室では、NASAのネットワークを介して、ISS上のカメラの制御をリアルタイムで行うとともに、観測した映像をその日のうちに見ることが可能。→米国実験棟で主体的に科学観測を行う日本初のプロジェクト
  • 主要流星群の母天体(彗星, 小惑星)は特定されている。二年に渡る流星群の観測データから、母天体の特性の理解を目指す。→彗星・小惑星探査に匹敵する科学成果が期待!

メテオプロジェクトの経緯

  • NASAはCASIS(Center for Advancement of Science in Space) という組織に委託し、国際宇宙ステーション(ISS)米国与圧実験棟 (デスティニー:Destiny)の利用機会の拡大を目指していました.
  • 機器開発、観測運用、宇宙飛行士訓練、打上及び帰還までをNASA, CASIS, Southwest Research Institute(SwRI)と連携して行うプロジェクトを2012年から検討をはじめ,2013年にプロジェクト開始しました.
  • ISSで観測実績のある「超高感度ハイビジョンカメラ」の改良版を用いて米国実験棟内の窓越しに2年間流星を観測する試みです。2012年NHK番組「宇宙の渚」で使用されたEM-CCDカメラの改良版です.
  • 民生品活用で開発期間とコストを抑え、プロジェクト発足から2年以内の打上げを目指しました.

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