ASTROBIOProject

概要

  • 惑星探査研究センター(PERC)では、アストロバイオロジーに関連する生物研究に特化した実験室「アストロバイオ・ラボ」を保有しています。
  • ラボ1では、実験器具の開発・組み立てに使われており、形態観察用の蛍光顕微鏡やクリーンブースなども完備されています。
  • ラボ2では、主に微生物を取り扱う実験に使われるため、室温などは常時一定に保ち、比較的クリーンな環境が維持されています。
  • 現在、遺伝子解析に伴う前処理用の設備が新たに導入され、サンプルの収量やデータの信頼性が 飛躍的に向上することが期待されています。

アストロバイオ・ラボ1

アストロバイオ・ラボ2

研究テーマ

高度上空環境スティミュレーション実験

  • 雨滴内にシアノバクテリアが含まれるケースがある事は周知のとおりですが、極稀に赤色のシアノバクテリアが含まれている現象が観測される事があります。
  • これは、細胞が降雨前に高高度上空まで到達し、低波長UV線により色素変化した可能性が示唆されている事から、その環境を模擬する実証機器を開発しました。

2001年インドで観測された赤色細胞の群集

高高度上空環境模擬チャンバー

高高度上空環境模擬チャンバー

新規開発された環境模擬チャンバーの制御可能範囲:温度:80℃~‐60℃, 気圧:105~10-2 Pa, UV線:UVA, UVB, UVC

  • 現在、複数種のシアノバクテリアを用いて、異高度における上空環境を模擬・暴露し、その影響による色素の定性的・定量的な変化の検証を行っています。

Biopauseとの連携

新しく導入された3次元検体細胞破砕装置を用いて、極微量サンプルからのDNA抽出プロトコルを検証しています。

3次元検体細胞破砕装置

惑星地質との連携

岩石用クリーンブースと破砕装置を用いて、岩石及び粘土鉱物内に含まれる微生物の隔離プロトコルを検証しています。

岩石用クリーンブース

ラボ機材

その他:
高圧蒸気滅菌器、冷却遠心分離装置、フリーズドライ装置、UV照射器、パーティクルカウンター、冷凍庫、冷蔵庫 etc.

担当研究員:三宅 範宗 (ミヤケ ノリムネ)
千葉工業大学 惑星探査研究センター 上席研究員