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超小型衛星「SAKURA」が2024年夏に宇宙へ飛び立ちます

<概要>

拡大する宇宙産業を支えるために宇宙で確実に動くものづくりができる高度技術者育成プログラムの一環として、本学学生が開発してきた超小型衛星「SAKURA」が、国際宇宙ステーションへの打ち上げに向けて、2024年4月17日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)に引き渡されました。

<詳細>

世界の宇宙産業はここ数年で数倍に拡大しており、我が国でも旧来の宇宙企業に留まらず多くのベンチャー企業が宇宙ビジネスアイデアを提案し企業活動を開始しています。しかしながら新たなビジネスアイデアを実現するために不可欠な技術者が圧倒的に不足しています。本学では、社会ニーズの解決のための宇宙を使ったソルーションを確実に実現できる衛星づくりができる技術者を育成するために、2021年4月より「高度技術者育成プログラム」を行なってきました。

2024年4月11日には初号機の「KASHIWA」が国際宇宙ステーションから放出されました。それに引き続き4月17日に「SAKURA」がJAXAに納入されました。「SAKURA」は2022年7月に当時の学部2年生が開発に着手した10cm×10cm×10cmの超小型衛星(1U キューブサット※1)で、本プログラムでは3号機となります。

学生達は衛星プロジェクトに参加する中で「宇宙で確実に動く」衛星を作るためにはどのようにすれば良いかを学んできました。今回の衛星では衛星基本機能の宇宙空間での動作確認とともに、撮影した画像1枚を地球上で画像に復元することをミニマムサクセスレベル(最低成功条件)として設定しています。それ以外にも、太陽の観測、火山・洪水・台風を対象とした地球観測、APRS(※2)による一般アマチュア無線家へのメッセージ送受信にも挑戦します。

(※1)キューブサット
1辺10cmの立方体サイズ・1kg程度の質量からなる(1Uサイズの)超小型衛星。2003年の打ち上げを機に、世界的にも多くの大学・企業が参加し、衛星製造・運用の入口として活用されています。近年では3Uサイズの衛星単体、あるいは複数機をつかった実用的な衛星利用も始まっています。

(※2)APRS
Automatic Position Reporting Systemの略であり、アマチュア無線局がアマチュア無線電波上に生データをリアルタイムに配信するパケット通信プロトコルです。

<チームの名称について>

庭園で若葉から力強く美しい草花が育つように、学生自身及び人工衛星が育っていくことを目標に、チーム名を「GARDENS(ガーデンズ)」としています。

<「SAKURA」の名称について>

超小型衛星の各名称は学生達自らが考え、植物名から命名しています。

  1. 桜の材質は、反りや狂いなどが少なく、耐久性も高く、虫などの害にも強い、強靭さを特長としています。衛星「SAKURA」は頑丈で、且つ、花のように美しい衛星でありたいと考えました。
  2. 3号機のミッションの一つである「桜島を撮影する」(※3)から命名しました。

(※3)自然災害の多い日本のリスクの一つに火山噴火が挙げられます。3号機では、活火山である桜島を写真撮影により定期観測し、噴火前後の変化を比較することをミッションの一つに考えています。

超小型衛星「SAKURA」の外観

担当:趙 孟佑(チョウ メンウ)
千葉工業大学 惑星探査研究センター 主席研究員/機械電子創成工学科 教授