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超小型衛星「KASHIWA」を国際宇宙ステーションから放出しました

<概要>

拡大する宇宙産業を支えるために宇宙で確実に動くものづくりができる高度技術者育成プログラムの一環として、本学学生が開発してきた超小型衛星「KASHIWA」が2024年4月11日(日本時間)、国際宇宙ステーションから放出されました。

<詳細>

世界の宇宙産業はここ数年で数倍に拡大しており、我が国でも旧来の宇宙企業に留まらず多くのベンチャー企業が宇宙ビジネスアイデアを提案し企業活動を開始しています。しかしながら新たなビジネスアイデアを実現するために不可欠な技術者が圧倒的に不足しています。本学では、社会ニーズの解決のための宇宙を使ったソリューションを確実に実現できる衛星づくりができる技術者を育成するために、2021年4月より「高度技術者育成プログラム」を行なってきました。

この度、その初号機として、2024年4月11日(日本時間)に「KASHIWA」が国際宇宙ステーションから放出されました。KASHIWAは2022年1月に当時の学部2年生が開発に着手した10cm×10cm×10cmの超小型衛星(1U キューブサット※1)で、本プログラムでは2号機となります。学生達は衛星プロジェクトに参加する中で「宇宙で確実に動く」衛星を作るためにはどのようにすれば良いかを学んできました。今回の衛星では衛星基本機能の宇宙空間での動作確認とともに、撮影した画像1枚を地球上で画像に復元することをミニマムサクセスレベル(最低成功条件)として設定しています。それ以外にも、今後数ヶ月の間、ステレオカメラによる測距、夜間光等を対象とした地球観測、APRS(※2)による一般アマチュア無線家へのメッセージ送受信、地磁気データの聴覚情報への変換にも挑戦します。

(※1)

キューブサット1辺10cmの立方体サイズ・1kg程度の質量からなる(1Uサイズの)超小型衛星。2003年の打ち上げを機に、世界的にも多くの大学・企業が参加し、衛星製造・運用の入口として活用されています。近年では3Uサイズの衛星単体、あるいは複数機をつかった実用的な衛星利用も始まっています。

 

(※2)APRS

Automatic Position Reporting Systemの略であり、アマチュア無線局がアマチュア無線電波上に生データをリアルタイムに配信するパケット通信プロトコルです。

 

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超小型衛星「KASHIWA」の外観

担当:趙 孟佑(チョウ メンウ)
千葉工業大学 惑星探査研究センター 主席研究員/機械電子創成工学科 教授
TEL:047-478-0320(惑星探査研究センター代表)