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黒澤研究員が天体衝突時の加熱過程における物質強度の効果を解明

隕石の記憶は容易に消去される―天体衝突時の加熱過程における物質強度の効果を解明―

千葉工業大学惑星探査研究センター(PERC)の黒澤耕介研究員、東京工業大学地球生命研究所(ELSI)の玄田英典特任准教授は「追加加熱」によって、隕石のふるさとである小惑星帯の典型的な衝突でアルゴン年代消去が起こることを新発見しました。この新発見は初期太陽系の衝突環境は従来推定よりも穏やかであったことを示唆します。

この研究成果は、1月25日付の米国科学雑誌「Geophysical Research Letters」電子版に掲載されます。

ポイント

  • 隕石に記録された放射壊変年代(アルゴン年代)は、初期太陽系で起きた出来事を紐解く上で重要である。
  • 隕石のふるさとである小惑星帯での典型的な衝突(およそ5 km/s)ではアルゴン年代はリセットされない、と推定されてきた。
  • 岩石の強度を考慮した数値衝突計算を実施し、衝撃圧縮状態からの減圧中に摩擦や塑性変形に伴う加熱が起こり、低速度衝突(2 km/s)でもアルゴン年代がリセットされることを示した。
  • 初期太陽系の姿は従来推定されていたよりも穏やかであった可能性が高い。

詳細につきましては下記プレスリリースをご参照下さい.
https://www.it-chiba.ac.jp/topics/pr20180126/

担当:千葉工業大学
惑星探査研究センター