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襟裳岬沖超深海調査航海

2020.10.4~2020.10.17まで航海で襟裳岬の北までいってまいりました、松本亜沙子です。

もともとは5月に予定されていた航海ですが、コロナで世界中の調査航海がストップしておりましたがありがたいことに再スケジュールで10月に行われることになりました。

今回は八戸から乗船ということだったのですが、コロナPCR検査を事前に行うために結果待ちを含めて乗船日の4日前に現地に入りあとはホテル隔離という新体制でした。PCR陽性または体調不良となると乗船メンバーが欠けてしまうことになりかなり調査航海に影響が出るので、無事全員陰性という結果になり安心しました。

八戸港は岸壁から徒歩圏にコンビニがあるといういい意味で珍しく便利な環境でした。八戸の方よると、八戸でも東日本大震災の津波で大きな船が道路をふさぐところまで流されてきたそうです。下船地の石巻の神社ではずっと神事のための神鹿を飼っていたのが、津波で鹿が流されてしまったとの話もお聞きしました。

今年は台風の時期が後ろにずれ込んでいたので、台風との遭遇を避けるためはるか北海道東の厚岸湾(牡蠣の養殖で有名です)まで北上し、一晩停泊していました。

夜が明けたら、甲板に大量のミズナギドリのなかまが避難しており、人に見つかっても全然逃げないので、移動前に船の方がひたすら鳥をつかまえて海に返しました。基本的にかなり沖でも普通に飛んでいたり海に浮かんでいるような水鳥なので羽も油っぽく、密集しているとひたすら油臭い鳥でした。

船の隙間に集まっている鳥

逃げません

調査に再度戻った後もしばらくは揺れが続き、調査船の場合はフェリーやクルーズ船と違い作業のために甲板が海面に近いため、晴天であっても甲板が海水で浅瀬のように水に浸っておりました。もちろんこの状態ですと金属類はステンレスであってもあっという間に錆びるので、揺れなくなったら即清水で洗ってペンキなど錆止め作業を行います。

途中台風で避難したにもかかわらず、予定していた調査はほぼ行うことができ、大変幸運な航海でした。また冬にもかかわらず北海道沖でも気温14度くらいと寒さをあまり感じませんでした。コロナ禍の中、無事に航海を行うことができたのはひとえに関係者の皆様のご尽力のおかげです。ありがとうございました。

松本