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国際宇宙ステーション(ISS)流星カメラを米国へ輸送!

6月18日にISS流星カメラを無事米国に向けて発送しました。

PERCでは、ISS上で流星観測を行うプロジェクト(COMETSS:Chitech Observatory of METor on iSS)を進めていて、今年の冬に打上、観測開始予定です。このプロジェクトは、NASAとの共同研究によるもので、これから打上までの数カ月間、米国で検証試験や宇宙飛行士による操作確認を行うことになっていて、我々もカメラを追って間もなく米国に向かいます。

せっかくなのでこの場を借りてCOMETSSプロジェクトについて簡単にご紹介します。COMETSSプロジェクトは、ISSの米国与圧実験棟(通称DESTINY)の窓に超高感度CMOSハイビジョンカラ―カメラを設置し、約二年間にわたって宇宙から流星観測を行うというものです。写真は、実験棟の窓に取り付ける手順を地上の模擬装置を使って確認している様子です。このような宇宙からの長期連続観測は世界初の試みです。地上からだと流星観測は天候に左右されますが、ISSからだと天候の影響を受けることなく定常的に流星観測ができます。

流星とは、彗星や小惑星から放出された塵の集まりの中を、地球が通過する際に見られる発光現象です。COMETSSプロジェクトでは、流星の飛跡や明るさから流星塵の大きさを求めたり、回折格子をレンズの前に取付けて分光観測を行い、流星塵の化学組成を調べたりします。毎年決まった時期に現れる流星群は、流星塵の元となる彗星や小惑星(母天体と呼びます)がわかっているので、流星群の観測結果から直接探査が難しい流星群母天体の特性を知ることができます。つまり、地球の周りに居ながらにして彗星・小惑星探査ができるというわけです。

流星画像はインターネットでも配信する予定ですので、楽しみにしていてください♪
(荒井朋子)