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はやぶさ2搭載分離カメラの撮像試験

去る519日に宇宙科学研究所にて分離カメラ(DCAM3)の撮影試験を行いました。

DCAM3は、退避する母船から切り離されて、はやぶさ2の目玉企画「衝突装置(インパクタ)」による衝突をその場観測します。

DCAM3は姿勢安定のために回転しながら撮影しますので、撮像画像に対する回転の影響を事前に評価しておかなくてはなりません。

今回の試験ではDCAM3デジタルカメラのEM(エンジニアリングモデル:実際に宇宙に持っていかないでいろいろテストするためのもの)を用いていますが、カメラを回すのは大変なので、対象物を回転させて撮影してみました。

図の左側の写真はその時の一枚で、想定よりはるかに速く回転させた時に撮影した画像です。DCAM3ではCMOSと呼ばれるカメラセンサを用いており、その独特のシャッタ機構(ローリングシャッタ)の影響で移動する物体を撮像すると歪むことが知られています。

この画像ではもろに歪みが見えますね。

もちろん、我々はその歪みの補正を考えております。まだ粗いレベルですが補正後の画像(図の右側)もご覧ください。実際に宇宙で撮像される画像も補正されて解析に使われます。

楽しみですね!(和田浩二)