PERCブログBlog

Asteroids Comets Meteors Conference 2026参加報告

2026年7月6日から10日まで、ポーランド・ポズナンで開催された国際会議Asteroids Comets Meteors Conference 2026(ACM 2026)に参加しました。ACMは、その名の通り、小惑星(Asteroids)、彗星(Comets)、流星(Meteors)をはじめとする太陽系小天体の研究者が世界各国から集まる国際会議です。3年に一度開催され、理論、観測、探査、実験など、多様なアプローチによる最新の研究成果が報告されます。

学会会場入り口のパネル

今回は、「ASTERISC: A CubeSat Mission to Observe β-Meteoroids with a Large-Area Film Dust Detector」というタイトルで、本学で開発・運用した超小型衛星ASTERISC(アスタリスク)による科学成果について口頭発表を行いました。ASTERISCは、宇宙塵とよばれる固体微粒子を軌道上で観測することを目的として開発された超小型衛星です。発表では、まずASTERISCの衛星システムや搭載した大面積フィルム型ダスト検出器について紹介した後、科学成果として、特にベータメテオロイドの観測結果について報告しました。

講演の様子

ベータメテオロイドとは、太陽光による圧力を受けることで加速され、太陽系の外側へ向かって、最終的には星間空間に到達するまで飛翔する宇宙塵です。ASTERISCによる観測から、ベータメテオロイドがどこで、どのように生成されるのかを考える上で重要な情報を得ることができました。発表後には他の研究者から有益なコメントをいただき、現在進めている投稿論文についても、今回の議論を反映することでさらに内容をブラッシュアップできそうです。

今回のACMでは、特にプラネタリーディフェンス(惑星防衛:天体衝突から人類を守る取り組み)や、太陽系外から飛来する恒星間天体に関する講演が多かったことが印象に残りました。また、小天体・惑星を対象とした将来の宇宙探査計画についても数多くの発表がありました。従来から活発な欧米や日本の計画に加え、中国、インド、UAEなどからもさまざまな深宇宙探査計画が紹介され、世界各国で探査への取り組みが広がっていることを実感しました。

会議期間中には研究発表だけでなく、ACM主催のクラシックコンサートやバンケット、エクスカーションなども開催されました。エクスカーションでは、衝突クレーターの巡検や地動説を提唱したコペルニクスの生家の見学など、盛りだくさんのプログラムが用意されていました。こうしたイベントも、普段なかなか会うことのできない世界各国の研究者と交流する貴重な機会となりました。

コペルニクスが洗礼を受けた洗礼槽

今回が私にとって初めての東ヨーロッパ訪問でした。出発前はポーランドについてほとんど知識がなかったのですが、実際に滞在してみると、とても魅力的な場所でした。7月にもかかわらず気候は涼しく、日によっては半袖では肌寒く感じるほどで、非常に過ごしやすい気候でした。ポズナンの街並みは美しく、人々の雰囲気も素朴で穏やかでした。食事も華美というよりは素材の味を生かしたものが多く、滞在中の楽しみの一つになりました。場所によっては英語表記がなかったり、英語が通じにくかったりする場面もありましたが、それもまた旅の面白さでした。昔のバックパッカー時代を思い出すような場面もあり、むしろ懐かしく、楽しみながら滞在することができました。

ポズナンの街並み

今回の会議で得られた議論やフィードバックを研究に反映し、ASTERISCによるベータメテオロイド観測の成果を投稿論文として仕上げていきたいと思います。

(石丸 亮)