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【活動報告】JAXA超高速衝突実験施設での実験
皆さん、こんにちは!
先日、研究活動の一環としてJAXA(宇宙航空研究開発機構)の「超高速衝突実験施設」を訪れて実験をしました。今回は、私の研究室の学生3名も参加しました。私たちが取り組んでいるのは、宇宙空間を飛び交う「メテオロイド(流星物質)」や「微小デブリ」を観測するためのセンサー開発です。
秒速7kmの世界を再現する
宇宙空間では、砂粒ほどの小さなゴミであっても、弾丸をはるかに上回る速度で飛来します。その威力や挙動を地上で再現するのが、この実験施設です。
加速性能: 直径7mm以下の弾丸を、なんと秒速約7kmまで加速
衝突の瞬間: ターゲットに激突した瞬間を、オシロスコープで精密計測し、超高速度カメラで撮像

実験の様子
今回のミッション:CFRPハニカムはセンサーになれるか?
今回の実験の主役は、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)板を用いたハニカム構造です。これをそのまま「センサー」として活用できないか、というユニークな試みに挑戦しました。
特に難易度が高かったのは、衝突条件の“幅広さ”です。1mm以下の微小球を用い、秒速1km以下の低速域から秒速7kmの超高速域まで、広い速度範囲でデータを取得する必要がありました。
実はこれ、口で言うほど簡単ではありません。小さな弾を正確な速度で、しかも広範囲に制御して撃ち出すのは、まさに至難の業。高度な技術と経験があって初めて実現します。
職人技に支えられた「最高のデータ」
この難しいリクエストに応えてくださったのが、JAXAの施設運用担当の皆様です。
長年培われた技術とノウハウに支えられ、狙い通りの条件で実験を成功させることができ、非常に質の高いデータが得られました。
未来の宇宙を守るために
本研究の成果は、将来的に人工衛星や宇宙ステーションの軌道上で、微小デブリの分布状況をリアルタイムに監視・評価するシステムへとつながっていきます。自分たちの手で作ったセンサーが、いつか宇宙の安全を守る「目」になる日を夢見て、これからも着実に研究を積み重ねていきたいと思います。
JAXAの皆様、そして慣れない現場で奮闘した学生の皆さん、本当にお疲れ様でした。
(小林 正規)

