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日本海溝沖・深海調査航海
2018.8.2~2018.8.11まで今度は日本で乗船していました松本亜沙子です。
今回は宮城県の石巻の沖の太平洋まで行ってまいりました。
今年は台風の回数が非常に多い年ですが、太平洋沖に出ているまさにその最中に台風13号がやってまいりまして、8月6日の朝4時の調査から中断し、ひたすら台風から逃げる毎日でした。写真の黄色の点が船のいた場所、右側の渦巻きが台風13号です。
船の食事は朝7:30、12:00、17:00です。夕飯が早いのですが、夜間に調査を行う場合には夜食も申し込めます。以前は昼が11時台ともっと早い時間帯で、またスペースの都合上食堂で全員同時に食事をすることができないので、時間をずらして2グループに分かれます。早く食事をするグループはすべて30分前倒しでの食事になります。乗船中は食事が娯楽なので、カレーが出ては大喜び、おやつにアイス(ジャイアントコーンやジャンボモナカでした)が大喜びという生活です。メニューと食事の一例はこんな感じです。昔と比べてとっても豪華になりました!
甲板に出るときにはライフジャケットとヘルメット着用が必須になっています。以前、学生が船から落水してから厳しくなりました。写真は台風から逃げる前の前線に出会ったときの調査で、この後雷と風が一瞬で強くなり続行中止となりました。
海のど真ん中にいるというとアウトドアなイメージですが、実際には活動範囲が船内の全長66メートルの範囲での階段上下に限られてしまうので運動不足になります。もっと大きい船の場合は甲板をぐるぐるジョギングする人もいるようですが、今回の船では途中で台風接近のため、外に出ることが禁止になったので、ひたすら船内にいました。
部屋は甲板よりも下にあるので部屋に窓などはなく、港に停泊中でも携帯の電波が届きません。そのかわり悪天候の時でも船の下の方が一番揺れません。これは一般のフェリーなどでも同じで、一等船室は見晴らしがよいかわりに悪天候の時には一番揺れるので居心地が悪いものです。
荒天(悪天候)の時には、船内の衛星放送のテレビの受信も悪くなり、何を言っているのか飛び飛びでよくわからなくなります。一番楽しいのがお風呂の湯舟で、お風呂の水は船体の揺れとは異なっているので、お風呂に入りながらしっかり水が揺れて少なめの水でも肩までつかることができます。しかし今回は避難後、船内で作る水が消費分に足りなくなり、湯舟にお湯を張るのは無しになりました。
結局、今回の航海は前半にすべての調査が行われ、後半は台風で石巻湾の湾口近くの島の陰にずっと停泊していました。ほかにもたくさんの船が台風から避難してきていました。船が停泊するときにはアンカー(錨)をおろして海底に船を固定するのですが、風の強さによって移動した場合に隣の船とぶつからないように決まった距離分あけなければなりません。写真はブリッジ(艦橋)から撮影したものですが、先方に二つの船が距離をおいているのがわかるでしょうか。この視野の外側にも同じくらいの間隔をあけて船が避難停泊していました。
今年は台風が多く発生しているため、この航海だけではなくほかの航海も台風の影響を受けました。日本だけでなく、アメリカでも気象が原因で航海が来年に延期になったものもあります。今回の航海は、台風調査期間は減ったものの、非常に実りある航海でした。もちろん全日程フルで調査出来ればもっと成果が上がるのでまた次回に期待したいと思います。
(松本亜沙子)