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初測距に成功!

 「はやぶさ2」搭載 LIDAR は,送信したレーザがターゲットの表面にあたって,返ってくるまでの時間から距離を測る装置です.しかしターゲットが遠くなると返ってくる光の量はわずかになります.また,信号をいつまでも待ち続けるわけにもいきません.このため,装置が射出するレーザのエネルギーや光を受ける望遠鏡部は測りたい距離に応じて設計されています.
「はやぶさ2」搭載LIDAR の場合,ターゲットからの距離が25km以下の時に距離を測るように設計されています.それでもターゲットの反射率や地形など,いくつかの要因が絡んでくるため,小惑星リュウグウとの距離が50kmを下回る6月22日から運用のたびにレーザを撃って,返ってくる光の信号が得られないか確認してきました.しかしなかなか信号が確認できまぜん.レーザも望遠鏡視野も細く絞られているので,もしかすると探査機が向いている方向が悪いのかも…などとやきもきする日々を過ごしてきました.
6月26日になってようやく,信号を捉えることに成功しました.測距できた距離は22.4キロメートル.当初の想定より近づかないと測距できなかったのは,リュウグウの反射率が予測よりも小さい事を意味しているのかもしれませんし,そろばん型をしているために探査機から見て斜面ばかりで光がうまく返ってこなかったからかもしれません.今後の詳細解析待ちです.これまで,LIDAR初観測のためにサポートして頂いたプロジェクトと開発メーカの皆さんに感謝します.
「はやぶさ2」はリュウグウに20kmまで近づきます.これに伴って,LIDARの測距精度や受信エネルギーの測定(表面物質の反射率を割り出して,物質分布に迫ります)の精度も上がると期待されます.乞うご期待!

初測距を喜ぶ担当者たち

「はやぶさ2」搭載LIDAR は, 国立天文台/JAXA /千葉工大/会津大/日本大/大阪大 の協力で開発・運用されています.