研究員ブログ

[2019/12/02] 成層圏到達ロケット用のロケットエンジンの燃焼実験について

みなさんこんにちは.

PERCロケット担当の和田豊です.

いつも食レポばかりですが,今回はロケットの最新の実験結果をご紹介したいと思います.

現在,本学では御宿町に千葉工業大学惑星探査研究センター御宿ロケット実験場を保有しています.御宿町については過去のブログ(食レポ)をご覧ください.
http://www.perc.it-chiba.ac.jp/researcher/%e5%be%a1%e5%ae%bf%e7%94%ba%e3%82%b0%e3%83%ab%e3%83%a1%e3%83%ac%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%88.html

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御宿ロケット実験場では2021年3月に打ち上げを目指している成層圏到達ロケット用のロケットエンジンの燃焼実験を行っています.

成層圏にロケットを到達させるためには推力5kN,燃焼時間30秒を達成する必要があります.

そこで我々は,燃料に本学が主体となって開発中の低融点熱可塑性樹脂,酸化剤には高い蒸気圧を持つ液化ガスである亜酸化窒素を選択しています.亜酸化窒素は自らの圧力で自らを液体の状態で保管することができ,さらにその圧力で液体の亜酸化窒素を燃焼器に送り出すことが出来るため,加圧機構が不要となるなど,小型ロケットには適した酸化剤として知られています.


そして,最初の実験として2019年9月29日に最大推力8.9kN,平均推力6.5kN,燃焼時間3秒を達成しました.

推力が5kNよりも大きいのは,亜酸化窒素が自分自身の圧力で押し出されてくる自己加圧供給方式(ブローダウン方式)を採用しているため,時間と共に供給圧力が下がってしまうという欠点があります.

従って,平均推力5kNで燃焼時間30秒を達成するためには初期の推力レベルは5kNをうわまわる設計としなければなりません.

今回の実験で無事,予定推力に到達することが確認されました.亜酸化窒素と低融点系燃料を用いたハイブリッドロケットでは国内最大級です.

今後,燃焼時間を10秒に伸ばし,ロケットの燃焼性能の確認を行う実験を複数回実施する予定です.そして年度内には目標である平均推力5kN,燃焼時間30秒を達成したいと思います.

これからも小型ロケット開発の進捗を報告していきますのでお楽しみに!

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