研究員ブログ

[2018/10/15] かわべ天文台での小惑星観測

皆さんこんにちは。

DESTINY+カメラ開発を担当している洪です。

9月下旬に和歌山県日高郡日高川町にあるかわべ天文台にて、小惑星の観測を行いましたので、グルメレポートと共に紹介したいと思います。

まず、天文台のある日高川町の場所ですが、下の地図の通り、県中央部にあります。広い面積を誇る日高川町の中で、かわべ天文台はお隣の御坊市に近いところにあります。そのため、関東から行く場合には、関西国際空港または南紀白浜空港まで飛行機で行き、そこから御坊市まで鉄道を使うか、または新幹線で大阪まで行き、在来線で御坊市まで行く経路があります。御坊市まで行ければ、後は天文台まで車で30分もかかりません。

和歌山県の地図。日高川町は県中央部に位置する。
(出典:uub.jp

こちらがかわべ天文台の外観(観星塔)です。天文台の隣には宿泊施設もあり、施設全体が天文公園として整備されており、地元の方々の憩いの場となっています。

かわべ天文台の外観。上部の大きな球体が望遠鏡のドーム。

かわべ天文台の外観(観星塔)。上部の大きな球体が望遠鏡のドーム。

実は和歌山県は全国でも珍しく、1 m級の望遠鏡が2台も設置されており、かわべ天文台はその一つです。日高川町によって管理されている公共の天文台であり、今回の出張では1週間ほど望遠鏡をお借りして、小惑星と系外惑星の観測ができるように機器の整備を行いました。

かわべ天文台の1m望遠鏡(カセグレン式反射望遠鏡)

かわべ天文台の口径1mの望遠鏡(カセグレン式反射望遠鏡)。
望遠鏡の下部に付いている黒い箱のようなものが、今回新たに取り付けた撮像カメラ。

千葉工大から持って行ったカメラを含む何種類かのカメラを持ち込み、望遠鏡への取り付け作業を行い、実際に観測できるよう機器の調整と試験を行いました。あいにく期間中は曇りの日が多く、湿度も高かったため、観測条件としては決していいものではありませんでしたが、雲の合間を縫って、目標としていた小惑星や系外惑星、他にも土星や星雲などを試験的に観測することに成功しました。

制御室の中から見た望遠鏡。手前のパソコンを用いて望遠鏡を制御する。

制御室の中から見た望遠鏡。手前のパソコンを用いて望遠鏡を制御する。

 

小惑星2005UD(左下のオレンジの円内)。背景の恒星に対して、小惑星は天球上を速く動くため、細長く伸びて写る。

小惑星2005UD(左下のオレンジの円内)。背景の恒星に対して、小惑星は天球上を速く動くため、細長く伸びて写る。

今回観測した小惑星2005UDは、小惑星3200 Phaethonから分裂した天体だという説があります。現在、惑星探査研究センターとJAXAで検討を進めている「深宇宙探査技術実証機 DESTINY+」計画において、Phaethonはフライバイ探査が予定されており、その分裂天体の可能性がある2005UDは延長探査の候補天体となっているため、地上観測で事前に天体の素性をできるだけ明らかにする必要があるのです。ちなみに2005UDは、国内ではあまり観測例がなかったのですが、今回望遠鏡の整備を行ったことで、今後の観測計画に弾みがつくことになりました。

(左)系外惑星を狙った観測。オレンジの円で示された恒星には、巨大なガス惑星が存在することが明らかになっている。 (右)リング状星雲。雲がかかっていたため、像がややぼやけている。

(左)系外惑星を狙った観測。オレンジの円で示された恒星には、巨大なガス惑星が存在することが明らかになっている。
(右)リング状星雲。雲がかかっていたため、像がややぼやけている。

 

さてこのように1週間の観測期間中、夜中はずっと作業に追われていたわけですが、望遠鏡は街外れにあるため、近くには飲食店はおろかコンビニすらありません。そこで、空き時間に、車で地元のおいしいお店を巡るのが、チームの数少ない楽しみとなりました。以下ではメンバーのみんなで行った、オススメのお店をご紹介します。

とれとれ市場

「とれとれ市場南紀白浜」(左)上天丼。(右)タコが1匹入ったたこ焼き

南紀白浜空港の近くにある「とれとれ市場」は、漁協組合が運営する海鮮市場で、新鮮な魚介が食べられます。西日本最大級を謳っており、多くの家族連れで賑わっていました。

らぁめん たんぼ

らぁめん たんぼ」の塩らぁめん。

らぁめん たんぼ」は、食べログで高評価を受けている、御坊市内の人気ラーメン店です。こじんまりとしたお洒落なお店で、出汁がしっかりとしていておいしいです。

せち焼き

御坊名物のグルメ、せち焼き。「朝日堂」にて。

朝日堂」で食べたせち焼きは、御坊市発祥の名物で、小麦粉を使わずに卵で固める、お好み焼きのようなグルメです。お店は多くの地元の人で賑わっており、とても愛されているご当地グルメであることを実感しました。

オステリア 伊和

オステリア 伊和」(左)店内の雰囲気、(右)ディナーコースの前菜

たまにはお洒落なイタリアンにでも行こうということで立ち寄った「オステリア 伊和」。オーナーの自家農園で獲れる季節ごとの旬な野菜を中心に使った、本格的なイタリアンでした。

ほろほろ鳥

ほろほろ鳥を使ったうどん(左)とほろほろ御膳(右)。「道の駅 SanPin中津 ほろほろ亭」にて

日高川町の特産品である「ほろほろ鳥」が食べられるお店「道の駅 SanPin中津 ほろほろ亭」にも立ち寄りました。アフリカ原産の鳥であり、日本ではほとんど生産量がないそうですが、肉が締まっていて非常に美味でした。

こういったおいしい料理を食べることも、観測チームの士気を高める重要な要素です。豊かな食材と自然に恵まれた、かわべ天文台。皆さんもぜひ訪れてみてください。

(洪鵬)

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